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相続は越谷の美馬克康司法書士・行政書士事務所 相続ガイド《遺産分割とは》

相続越谷春日部の美馬司法書士行政書士(せんげん台駅1分/土日祝営業)

遺産分割

相続人全員によって相続財産を分ける手続きのことです。財産の分け方は遺言書に従ったり、相続人間による取り決めに従ったりする方法があります。遺言書に遺産の割合などが記されていても、相続人間で相談し全員一致で取り決めた場合には遺言内容と異なる分割をしても問題ありません。遺産分割はトラブルに発展するケースも少なくありません。

01遺産分割とは

遺産分割

民法第906条(遺産の分割の基準)
「遺産の分割は、遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをする。」

遺産の分割とは、相続財産分割の客体となっている財産すべてを対象にして、総合的に行われます。共同相続人が、相続開始によって相続分にしたがって共有した財産です。他方で判例は、遺産分割前に共同相続人が合意のうえ相続財産の中の不動産を売却した場合、その代金(代償財産)は、もはや遺産分割の対象ではなく一般財産法上の財産として扱われるとしています。

また、相続財産に属する財産から賃料など(法定果実)が生じた場合です。
判例では、各共同相続人が相続分に応じた大きさではあるものの遺産ではない分割単独債権として確定的に取得するとしています。しかも、遺産分割によって果実を生んだ元物が誰に割り付けられても、そのことは果実の取得に何ら影響を及ぼさないとしています。

さらに、過分の権利であるため相続開始時に各共同相続人に、相続分に応じて分割される権利(預貯金債券以外の過分債権など)も、実務では共同相続人の合意がない限り、総合的分割の対象ではないとされています。相続における財産分けが実態上、相続開始後比較的短期間のうちに一挙に行われるとは限らず、五月雨式にされると考えれば、これらの処理は仕方がないと思えます。
しかし、総合的分割としての遺産分割の中で一括処理を指向しないことは、法定相続における共同相続人間の平等を害することを許容することになりかねません。

遺産分割の方針は、あらゆる事情を考慮してされるべきです。相続財産を誰にどのような割合で分割するか、につきます。つまり民法第906条の規定にあるように、遺産分割は、遺産に属するものまたは権利の種類および性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態および生活の状況その他のすべての事情を考慮されなければなりません。

もっとも、遺産分割協議で共同相続人全員の合意があれば、法の規定によって算出される割合(つまり法定相続分)とは異なる分割にもなります。実質的には、共同相続人間での贈与があった、と考えることができるためです。

遺産分割の前に財産が処分された場合

遺産分割を協議する前に、遺産に属する財産が処分された場合についての遺産の範囲は、民法第906条の2に新規に規定されました。
第906条の2の1は、遺産分割前に遺産分割の対象である財産が処分された場合に、共同相続人の合意によって、その処分された財産を遺産分割時に遺産として存在するものをみなし、遺産分割の対象とすることができる旨を定めています。
第906条の2の2は、1項の処理をするにつき、処分をした当該共同相続人の同意を不要としています。

第906条の2
1.遺産の分割前に遺産に属する財産が処分された場合であっても、共同相続人は、その全員の同意により、当該処分された財産が遺産の分割時に遺産として存在するものとみなすことができる。
2.前項の規定にかかわらず、共同相続人の一人又は数人により同項の財産が処分されたときは、当該共同相続人については、同項の同意を得ることを要しない。

ここでいう処分は、典型的には、各共同相続人による分割前の遺産の持分の処分です。この処分があった場合、残った遺産を具体的相続分によって分割することになりますが、率分としての法定相続分と具体的相続分の間の差や処分の価額によって、処分がなかったときに生じたはずの結果と違いが生ずることがあります。
このようなケースを踏まえて、典型的には遺産分割に際して、分割に先立って処分された財産を処分した共同相続人に、その同意を必要とせずに仮想的に割り付けることを可能にしたものです。

第三者による遺産の処分

本条にいう財産の処分は、共同相続人に限らず第三者による処分も含まれます。第三者による処分の場合には、各共同相続人は第三者に対して不法行為にもとづく損害賠償請求や不当利得返還請求をすることになります。遺産分割においては、当該遺産が現存するものとみなして、協議することも可能にななります。

02遺産分割協議

遺産分割協議とは、相続人たちが被相続人の財産を誰がどのような割合で相続するかを協議するものです。まれに質問されることもありますが、遺産分割は5人なら5人でピッタリ5分の1ずつ分割しなければならないということではありません。遺産分割協議で相続人全員の合意があれば、現物分割・換価分割など、どのような分割方法でも可能とされています。
たとえば、共同相続人のうちの一部の者の取得分を0(ゼロ)にすることも可能です。ただし、負債は負担しなければなりません。

被相続人が遺言で分割の割合を指定している場合は、共同相続人の協議で遺言の指定と異なる協議をすることも可能とされています。たとえば、一人の相続人にすべての財産を取得させることもできるということです。ただし、遺言執行者がいる場合は、遺言に記載されている相続分の指定に従わなければなりません。

「遺産分割をする相続人」で説明のとおり、いつでも遺産分割をすることができます。被相続人が亡くなってすぐに遺産分割しなければならないということもなく、いつまでに遺産分割しなければならないという期限もありません。ただし、被相続人が遺した遺言で禁じた場合は、遺言に従わなければなりません。

遺産分割協議書

遺産分割協議書には、どの相続人が何を相続したかを記載します。あわせて相続人の氏名や住所、実印の押印と印鑑証明書を添付します。

遺産分割協議で決定されたことを記した遺産分割協議書は、のちのトラブル防止のためにも作成するのがよいでしょう。遺産分割協議書は、遺産分割協議をしたら必ず作成しなければならないということではありません。遺産分割協議書を作成する義務はなく、作成しないことで遺産分割協議の内容が無効になることもありません。しかし、法務局への相続登記、銀行の預貯金相続手続きに遺産分割協議書が必要になりますので、一般的に遺産分割協議がされた後には遺産分割協議書を作成しています。

遺産分割の禁止

遺産分割を禁止する方法は次のとおりです。

遺言による遺産分割の禁止

被相続人が遺言で遺産分割を禁止した場合、共同相続人全員の合意があっても、禁止された期間内には遺産分割をすることができません。遺言による分割禁止期間は相続開始から5年以内に限られます。5年を超える分割禁止期間は、遺言書に記載があっても無効になります。

共同相続人の合意による遺産分割禁止

共同相続人で協議をして合意のうえ、遺産分割を禁止することができます。禁止期間は5年以内に限られます。遺産分割が完了していない期間の相続財産は相続人全員の共有財産になります。禁止期間中に共同相続人が合意して遺産分割をした場合は、遺産分割禁止が解かれ、遺産分割協議が有効となります。

家庭裁判所審判による遺産分割の禁止

共同相続人は遺産分割協議の合意がなされないと遺産分割を家庭裁判所に請求することができます。その際に、特別な事由によって家庭裁判所が遺産分割禁止を審判される場合があります。特別な事由とは、それぞれ個々によりますが相続人の能力や遺産の範囲などの争いが複雑だったり、共同相続人にとって遺産分割をしない方がよい場合だったりが考えられる場合です。

相続債務の遺産分割

被相続人の財産は相続人へ相続されます。その財産がプラスの財産であってもマイナスの財産(借金やその他の債務)であっても相続されます。被相続人が生前にもっていたマイナスの財産がそのまま相続人へ相続されます。

遺産分割は共同相続人が、相続財産をだれにどのような割合で分割するかを協議するものですが、マイナスの財産は遺産分割の対象になりません。遺産分割はプラスの財産についてのみ行います。相続人の一人が全債務を相続するという遺産分割協議が成立しても、債権者は協議内容を無視して、他の相続人に債務の履行を請求できます。つまり、可分債務の場合は、当然に各相続人の相続分に応じて、分割されて承継されます。相続された債務が不可分債務である場合には、各相続人が全部について履行の責を負うのです。

03遺産分割協議書

遺産分割協議書の効力

遺産分割協議をしたのちに遺産分割協議書を作成します。遺産分割の効力は、相続開始の時点にさかのぼります。遺産分割協議書は作成日から効力が発生するのではなく、被相続人がなくなった時までさかのぼり効力が発生するということです。相続開始後に遺産分割がされ遺産分割協議書が作成されたら、被相続人から相続した相続人個々人の財産になります。

遺産から生じた果実

被相続人から相続して相続財産の範囲が決定されるのは相続開始のときです。しかし、相続の開始時には果実は生じていません。遺産分割までに年月が経っていて、しかもその果実が財産的な価値がある場合に問題になります。

相続の効力は被相続人が亡くなったときに発生しますので、遺産分割後に生じた賃料債権などの果実は、遺産分割協議書でその財産(たとえば賃貸した家屋)を取得した相続人に、帰属することになります。

最高裁判所の判例は、相続開始後、遺産分割が決定するまでの間に生じた果実の帰属に関して、「相続の場合に、遺産分割が決定するまでの間に、遺産の賃貸不動産から発生した賃料債権は、遺産とは別の財産と考え、分割単独債権とすることが相当である」と判断しました。
つまり、相続開始後に発生した賃料債権は、遺産分割としては対象外ですが、分割して相続人に相続がされるとしています。さらに、最高裁判所は各共同相続人が確定的に取得した財産の帰属は、後の遺産分割に影響を与えないとしました。

この結果は、賃料債権の分割、清算は訴訟手続きによらなければなりません。なお、相続人全員が合意をすることで、遺産分割の対象とすることができます。

遺産分割協議書と登記

遺産分割協議書を作成した場合に、第三者に対して自分が所有者であると主張するためには、登記が必要かという問題です。

最高裁判所の判例は、遺産分割の際に、実質上は持分の移転があるということから、持分を超えて取得した場合に対抗要件を求めています。遺産分割が、実質的に有している移転的な性質を考慮して、分割により新たな物権変動が生じたものと考えて、対抗関係にあると判断しました。

相続開始後の持分処分

たまにあるケースですが、遺産分割協議書が作成されていないのに、相続人の一人が単独で登記をして第三者に譲渡し、移転登記をするという例です。判例では、他の相続人は自己の持分に関して登記していない状態で対抗するとしています。登記に公信力はありませんので、登記を信じても保護はされません。他相続人の持分は他人の財産であり、第三者は取得することができません。
処分された財産は、他の相続人と第三者との共有になり、保護される特定財産の持分を譲渡された第三者は、譲渡人以外の相続人に対して自己の権利を主張するためには登記が必要です。

相続と登記

相続は包括承継です。したがって、被相続人から譲り受けたものと、相続人から譲り受けたものの関係は、被相続人と相続人は同一人と考えられますので対抗関係になります。これに対し、被相続人から譲り受けたものと相続人の関係は対抗にはなりません。

遺産分割協議書の決定で、登記をする場合には次の二通りの方法があります。

  1. 被相続人名義から直接移転登記をする方法
  2. 一旦共同相続人によって共同登記をして移転登記をする方法

直接被相続人名義でする登記は一般的な登記ですが、この場合には遺産分割協議の結果、その財産を取得した相続人の単独申請で登記します。
この相続による共有登記は、保存登記であり共同相続人が単独で登記することもできます。共有登記から遺産分割後にする持分移転登記は共同相続で行います。

遺産分割協議書と第三者

遺産分割協議をし遺産分割協議書を作成した場合、相続開始の時点にさかのぼって効力が発生しますが、第三者の権利を侵害することはできません。
第三者とは、個々の遺産の共有持分を譲り受けた者や担保権を取得した者のことです。この場合、その持分の範囲でのみ有効なもので、それ以上の効力はありません。
そのほか、差押え債権者も第三者として保護されています。これは共同相続人の一人の債権者が、その者の共有持分を差し押さえる場合に該当します。

第三者の保護、すなわち遺産分割協議書で遺産を取得した相続人に対し、第三者が保護されるためには、不動産の場合では登記が必要にです。同じく動産であれば、動産の対抗要件である引渡しが必要です。

04遺産分割をする相続人

民法第906条(遺産の分割の基準)
遺産の分割は、遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをする。

遺産分割というのは、被相続人(亡くなった方)の財産すべてを各相続人で分割することです。この遺産分割についてを第906条が規定しています。

共同相続人はいつでも遺産分割をすることができます。被相続人が亡くなってすぐに遺産分割しなければならないということもなく、いつまでに遺産分割しなければならないという期限もありません。ただし、被相続人が遺した遺言で禁じた場合は、遺言に従わなければなりません。

民法第907条第1項
共同相続人は,次条の規定により被相続人が遺言で禁じた場合を除き、いつでも、その協議で遺産の全部又は一部の分割をすることができる

遺産分割の対象である財産

財産の内容はさまざまですが、一般的なものは次のものです。

  • 現金
  • 預貯金債権
  • 不動産
  • 不動産賃借権
  • 株式・国債・社債・投資信託等の有価証券
  • 特定できる動産
  • 株式会社の社員たる地位(株式)・社員権
  • 株主会員制のゴルフ会員権
  • 預託会員制のうち会則が相続性を肯定している場合のゴルフ会員権

祭祀財産については、祭祀を主宰するべき者が承継します。一般的な相続財産と区別して、被相続人が暮らしていた環境の慣習によって、承継する人が決定されます。

祭祀に関する権利の承継についてこちらのページで説明しています

共同相続人

未成年者の遺産分割

共同相続人のなかに未成年者がいる場合、親権者が代理人になる場合利益相反となることが考えられるため、注意が必要です。不公平な分配にしようとするような行為を防ぐために、子である未成年者のために特別代理人の選任を家庭裁判所に請求しなければなりません。

親権を行う父又は母とその子と利益が相反する行為については、親権を行う者は、その子のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければなりません。

第826条
1.親権を行う父又は母とその子と利益が相反する行為については、親権を行う者は、その子のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければならない。
2.親権を行う者が数人の子に対して親権を行う場合において、その一人と他の子との利益が相反する行為については、その一方のために、前項の規定を準用する。

胎児の遺産分割

相続人のなかに胎児がいる場合の扱いは、その胎児はすでに生まれたものとみなされます。原則として、相続権が認められるためには生きていなければなりませんが、相続開始の時点でまだ生まれていない胎児であっても相続権が認められています。

第886条
1.胎児は、相続については、既に生まれたものとみなす。
2.前項の規定は、胎児が死体で生まれたときは、適用しない。

被相続人が亡くなった直後に生まれた子が不利益を避けることができます。

もし死産であった場合は、上述のとおり相続権が認められるのは生きていなければならないため、相続人ではなかったことになります。

行方不明者の遺産分割

相続人のなかに行方不明者がいる場合は、不在者財産管理人が選任されることになります。そして、その者が家庭裁判所の許可を得て遺産分割協議をすることになります。

民法第25条
1.従来の住所又は居所を去った者(以下「不在者」という。)がその財産の管理人(以下この節において単に「管理人」という。)を置かなかったときは、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求により、その財産の管理について必要な処分を命ずることができる。本人の不在中に管理人の権限が消滅したときも、同様とする。
2.前項の規定による命令後、本人が管理人を置いたときは、家庭裁判所は、その管理人、利害関係人又は検察官の請求により、その命令を取り消さなければならない。

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